さて、10月ももう終わりですね。10月24日(月)に早稲田大学西早稲田キャンパスにおいて、ヒューマンインタフェース学会セミナーを行いました。僕はことしから、ヒューマンインタフェース学会の事業・企画委員を仰せつかったこともあり、学会員に役立つ内容のセミナーの企画立案と運営を手掛けております。
今回は、「HI研究における質的研究アプローチ: エスノメソドロジー、エスノグラフィ、グラウンデッドセオリー」と題して、主に工学系の研究者の方向けに、質的研究の導入セミナーとしました。学会のセミナーとしては、大変多くの方にお申し込みいただき、お断りした方がキャンセル待ちするという事態に。。。当日は70名を超える方にご受講頂きました。ちなみに、安藤研からは2名の学生が参加しました。
講師は、エスノメソドロジストの秋谷直矩さん、東京大学i.Schoolのディレクターで博報堂イノベーション・ラボの田村大さん、そして私の3名。もともとこの企画は、昨年twitter上でエスノグラフィとエスノメソドロジーをめぐって議論になったことをきっかけに、実現にこぎつけたものです。
秋谷先生には、社会学のお立場から、テーマとしたエスノメソドロジー、エスノグラフィ、グラウンデッドセオリーの3つについてそれぞれの位置づけをご説明頂いたうえで、ご専門のエスノメソドロジーのお話をしていただきました。
田村さんからは、「エスノグラフィとビジネスプラクティス」と題して、講演を頂きました。田村さんのご講演は、田村さんご自身がどのようにしてエスノグラフィを手掛けるようになったのか、というエピソードからお話しいただき、大変興味深く、そして刺激的でした。
ちなみに私は、グラウンデッド・セオリー・アプローチのお話をしました。僕は2006年からグラウンデッド・セオリー・アプローチの方法論としての研究とHI研究への適用を模索してきました。最近はさらにすすんで、サービス科学・サービス工学での融合を模索しています。
今回は、秋谷さん、田村さんに頼みこんで、より具体的にエスノメソドロジーとエスノグラフィのことを理解していただくために、簡単なワークショップを行いました。もともと短時間のものだったのですが、当日の参加人数の多さとみなさんの熱意を見て、急きょ変更し参加者を2グループに分け、講師の方には30分×2回のワークショップをやっていただきました。参加された皆さんには、より具体的にそれぞれのアプローチの観点を実感いただけたのではないでしょうか。
最後に書いていただいたアンケートを見ると、さらに深くそれぞれの方法を学びたいというご要望が多かったです。今後、さらに発展的な企画を考えたいと思います。
なにより、僕もすごく勉強になったセミナーでした。講師でお願いした田村さん、秋谷さん、本当にありがとうございました。また、ご参加の皆さま、ありがとうございました。
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