安藤の学生指導の考え方や学びに対する姿勢を表したもので、安藤研に所属する学生の心得となっています。この十則は2009年度産業技術大学院大学を卒業された、安藤研究室の廣瀬優平君により整理・体系化されたものです。
すでにお気づきかと思いますが、オリジナルは「電通鬼十則」です。電通の鬼十則は、現在の電通の礎を築いた吉田秀雄氏によるもので、電通社員の行動規範、いや、電通に限らずビジネスマンの働き方について考えさせてくれる本当によいツールです。
ちなみに、電通鬼十則を味わうには、いろんな本が出ていますが、私が読んで良かった本に、植田正也著『電通「鬼十則」』(PHP文庫)がお勧めです。
ところで、「安藤研鬼の十則」は、私(安藤)自身がまとめたものではありません。私が2008年から勤務した産業技術大学院大学の学生の廣瀬優平さん(現在は千葉大学大学院デザイン科学専攻の博士後期課程に在籍)が、整理してくれたものです。
廣瀬君は、入学当初からいろいろと私と関わることが多く、加えて3年間も学校にいたため、私の口癖やら話す話しを良く聞いていててくれたんですね。というか、私も学生をどういう風に指導してよいかわからず、最初のころは学生が持ってくるアイディアに対して、「そんなもんがホントにいいと思ってんの?」 とか平気で言ってましたから、きっと彼もいろいろショックな言われ方をしたんでしょう(苦笑)。
ともかく、突然廣瀬くんが「安藤研 鬼の十則とか作ってみました」といって持ってきたのが最初です。が、実はその時できていたのは、5つだけでした。十則じゃないじゃん(笑)。
全然中身はそろってないけど、きっと電通鬼十則みたいなのがいいよね、という思いつきを、とりあえずやってみる。すばらしい、これこそまさに“安藤研的発想”。まずやってみるということを強調した項目、「(3)嘘でも出す」に当たりますね。
廣瀬君といろいろ話をしていくうちに、これは面白いと言うことになり、具体的なアイディアに育って行きました。「(1)思いつきとアイディアは違う」ですね。
そうそう、(1)則は、思いつきを否定しているのではないですよ。思いつきを思いつきのまま言いっぱなしの学生が多く、当時の私は「そんなもんはタダの思いつきだ!」といつも罵倒していましたw。ですが、言いたかったのは、思いつきをアイディアに育てる努力をしろ、ということです。その方法の一つは、とりあえずサンプルをやってみるという、廣瀬君の方法があるわけですね。
なお、各項目はそれぞれ安藤自身が体験したエピソードとその時の言葉によって構成されています。ですので全てが安藤の言葉ではありません。「(9)いつもなぜと問わなければならない」は、松下幸之助の言葉ですしね。学生には、私の体験のエピソードに基づいて、大事なことを伝えるようにしていたので、それが反映されているんだと思います。
とまあ、つれづれなるままに書き散らしましたが、以下にまとめますと、
- 「安藤研鬼の十則」は、「電通鬼十則」のオマージュとして、かつて指導していた学生さんが整理してくれた
- この鬼の十則の作り方そのものが、鬼の十則の示す行動規範にのっとって作られた
- 各項目は、学生指導の際に安藤が語った自身の体験エピソードと、その時の要点となる言葉によって構成されている
時間を見つけて、一つ一つの項目について、このブログで解説していきたいと思います。
これまでに解説した、安藤研鬼の十則です。
- その1 「思いつきとアイディアは違う」
- その2 「とにかく現場のユーザーを観ろ」
- その3 「嘘でも出す-出さなくてはクオリティは生まれない」
- その4 「仏作って魂いれず-作りゃいいってもんじゃない」
- その5 「人の十倍どりょくしろ-と思っていれば三倍はできる」
- その6 「準備するから勝てる」
- その7 「しなくてもいい苦労はしなくてもいい-しなくてもいい努力はないが」
- その8 「自分のコマンドを増やせ」
- その9 「いつもなぜと問わなければならない」
- その10 「割り切り・言い切り・思い切り」
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安藤研鬼の十則ったー
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