ご連絡が遅くなりましたが、第3回のex-labを開催します。
都内での予定を検討してきましたが、調整がつかず、今回も津田沼での開催となります。
■第3回 ex-Lab エクスラボ
- ●日時: 2013年5月31日(金) 18:00ごろ開場、18:30ごろ開始~21:00ごろおわり
- ●場所: 千葉工業大学 津田沼キャンパス 1号館 12F 安藤研究室
- ●費用: 基本無料
※ビアバッシュ的な運営を考えていますので、500円程度のドネーションを頂けますと幸いです - ●内容: 「直観的UIを考える」
- ●論者: 宮川真道くん
- 論文クリティーク:
今回は、論文全体ではなく、各論文において“直観”がどう位置付けられているかに焦点を当てて議論します。レジュメも論文全体を対象としていません。
- その1「Intuitive interaction with multi-functional mobile interfaces」(2012)
- Science direct (原著は入手できないかもしれません)
- レジュメ1 (できれば印刷してご参加ください)
- その2「Investigating Users’ Intuitive Interaction With Complex Artefacts」(2010)
- ●ルート: 安藤研までの道順をご参考にいらしてください
これらの論文は、メジャーではないかもしれませんが、直観的インタラクションについて述べられた最近の論文なので取り上げました。ただし、実験の対象機器がスマートフォンではないことなどから、議論すべき点が多いと思います。
■前回の議論の様子
第2回は、都合16名の方にご参加頂きました。今日はJBMIAの小山さんもご参加。
千葉大の皆さんも3名ご参加でした。
差し入れも頂きつつ、自己紹介。
今回はとてもよい議論ができました。UXの評価とは何かということに深くきり込めたと思います。
汚いメモですが。とても大事なことが書かれています。
評価と言う観点では、Bruce, B. C., Rubin, A. & An, J. による「Situated Evaluation」のフレームワークがベースになると考えると、結構整理をつけて考えることができそうです。
上の表は、Bruceらの「評価法の比較」の表です。左から「形成的評価」「集約的評価」「埋め込まれた評価」。「形成的評価」と「集約的評価」は、作り手の理想に対する評価(Bruce的に言うと、イノベーションの理想)であるが、状況に埋め込まれた評価というのは、作られたモノが実際にはどのようにユーザーの生活世界で使われているかを評価するもの(Brue的に言うと、イノベーションの現実)。
UXの評価にも、この3つの分類が当てはまる。それぞれどんな評価をすればよいかと言うことを考えないといけない。
議論では、以下のような考えが指摘されました。
- Situated EvaluationとしてのUX評価: これは、リリースした後の評価であって、新たに作る製品のインプットとして使われる。手法としてはエスノグラフィ的な方法。ただ、社内でここの評価だけを見せると、若干“うそくさい”感じがするらしい。
- Fromative EvaluationとしてのUX評価: 大事なのはこれ。現時点でこの形成的評価として行うUXの観点は、以下のような議論があった。基本的には、Situated Evaluationを前提としている点がポイント。
- 事前期待に対して現在作っている製品が裏切らないかということ(コンセプト評価)
- 事前期待については、Situated Evaluationから導出?
- “うれしい体験”というパターンを作り、それが企画段階で何個うれしい体験が含まれているかを評価するといったアイディア
- うれしい体験のパターンは、やはりSituated Evaluationから分析的に導出
この議論では、アジャイル開発で言われているDevOpsという考え方と似ているという意見もあり。
この分野では要求工学の名古屋大学山本修一郎先生が著名とのこと。
こちらの図は、安藤研の大学院生の研究の位置づけを説明したもの。かなりいい加減に書いてありますが。。。
基本的にUX白書の4つの期間による視点を分け、
- 予期的UX~一時的UXまで: 登尾君
- 「購入前の体験価値情報が、購入後の製品使用評価に及ぼすプライミング効果(仮題)」
- 一次的UX: 宮川くん
- 「直観的UIについて」
- 累積的UX: 田中一丸くん
- 「長期的UXの測定法の開発」
というような位置づけです。
それとは関係ありませんが、ここで書かれているメモについては、もうひとつ。私のUXDのあり方として一つのビジョンを示していて、コアUXをCJMなどで記述するのは、すでに先進的に取り組まれていると思いますが、それだけではだめだということです。サービス工学の分野では、サービスリカバリーという研究がありますが、それと同様に、「コアUXのリカバリーデザイン」という観点が必要だと思います。体験のデザインにおける、一種のエラー処理ですね。
次回も、楽しい議論が展開できることを期待しています。
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