あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いいたします。
本年の安藤研究室は、初めての卒業生を送り出すとともに、新たに大学院生(修士課程)の学生も指導する予定で、また新しい挑戦が始まります。
さて、昨年1年間、第1期生の卒業研究の指導を通した反省を踏まえ、今年の安藤研究室のテーマを「安産」と定めました。そうです、「あんざん」です。
デザインは、いわば自分の子どもを、産み・育てるようなもの。いかに安産で産み、そして大きく育てるかはとても重要です。ソフトウェア関係のお話を聞くにつけ、いつも「難産」の話しか聞きません。いかに「安産」にするかは、デザイナーや開発者の重要なテクニックであり、心構えではないでしょうか。
私は人間中心デザインやユーザー工学、デザイン解析など、主に“調べる系”を教えている関係で、学生たちにとっては、「ちゃんと(=時間をかけて)調べる」ことを是とする研究室だと思われているようです。
確かに研究はそうかもしれません。しかし、デザインという面では一度もそのようなことは言っていません。安藤研の鬼の十則ーその3にもあるように「嘘でも出す~出さなくてはクオリティは生まれない」というのが、モットーです。この鬼の十則―その3は、人間中心設計そのものを言い換えたものです。つべこべ言う前に、とりあえず創ってみる。そこから評価して直していく。それこそが、人間中心設計のポリシーです。
もちろん、地球環境やコミュニティへの配慮など、現在、デザインを取り巻く環境の変化にともない、「どうつくるか(HOW)」や「何をつくるか(WHAT)」よりも、「なぜつくるのか(WHY)」が求められています。ですから、よく考えて創ることは大切なことです。しかし、とりあえず創ってみて初めてわかることは多いと思います。その繰り返しの中で、「なぜつくるのか」も見えてくることもあるのではないでしょうか。
千葉工業大学のデザインの学生は、「“まずやってみよう”というフットワークがあるね」と言われるような、そんな学生を育てたいなと思っています。
そういう思いで今年のテーマを、「安産」としました。私自身も、アウトプット指向で取り組みたいと思います。
今年一年よろしくお願い申し上げます。
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