HCDセミナー in NAGOYA 「サービスデザインとUX」を行いました

こんにちは、シツチョーです。

11月20日(日)に、名古屋にて「サービスデザインとUX」というテーマで、講演とワークショップを行いました。このセミナーは、横浜デジタルアーツ専門学校の浅野先生の企画で実現したものです。

浅野先生は、昨年くらいから名古屋のWeb系のデザイナーさんたちを対象に、HCDプロセスのセミナー+ワークショップを開催してこられたのですが、その参加者のみなさんを中心に、HCDから一歩踏み込んだ内容ということで実施しました。

会場は、すごくきれいなビル。窓から名古屋のテレビ塔が見えます。最近学校に通う時、毎回スカイツリーを観ているので、なんだかとっても小さく感じます。子供のころは大きいなーと思っていたのに。。。


前半:セミナー


さて、セミナーですが、僕は、「UXとはなにか?」ということで、これまでいろいろなところでお話ししてきたUXの基本的な考え方について、30分ほど講演いたしました。ちょっとアカデミックすぎなのか、時間がたりないのか、ちょっと消化不足な感はいなめず。。。もうすこし、UXということをアカデミックになりすぎない形で解説する内容も考えなきゃなと思いました。

ただ、UXというのはインタラクションの瞬間的な体験のみを言うのではなく、より広い捉え方をも含んだ概念だということはご理解いただけたようです。

浅野先生からは、「サービスデザイン設計法」について、概論的なセミナーを頂きました。サービスデザインという言葉は、最近少しずつ聞かれるようになりました。情報デザイン系では、多摩美の吉橋先生が指導されているサービスデザインの演習が有名です。

どうしても現役でビジネスをされているデザイナーのみなさんは、例えばWebの方だとアイディアがどうしてもWebを基本に発想してしまう傾向があります。本来、ユーザーの本質的な欲求を満たすことができれば、メディアはどのようなものであってもかまわないはずです。その意味では、サービスデザインはゼロベースで発想するということも求められているわけですね。

浅野先生の講演で、とても納得したのは、プロダクトやデバイス、アプリやWEBなど、実際にデザイン作業を行う対象に違いはあれど、それらはすべてはサービスデザイン、つまり“コト”のデザインの部分であって、ユーザー体験(UX)を実現するためのアプローチなのだ、という説明です。

おそらく参加されたデザイナーの方も、わかっておられる方は多いのだと思いますが、実際はどうしても気付かないうちに、モノのデザインをしてしまうことがありますよね。こういう考え方を意識しておくことは、コト発想のためには重要だなと感じました。

後半:ワークショップ

さて、後半はワークショップです。先日安藤研でも実施した、「最悪の旅行」という、ティナ・シーリグのブレインストーミングのワークショップを参考に、UXデザインの導入部分の考え方を理解する内容にモディファイしたプログラムを実施しました。

最初のアイスブレーキングでは、各自15秒で「今日の驚き!」を発表してもらう、という自己紹介を行いました。このアイスブレーキングはやってみると結構面白くて、15秒という時間を長く感じるように話すか、短く感じるように話すかは、結構違ってきます。これだけで、プレゼン能力も見えるし、人間性も見えるんですね。

ちなみに、15秒は短いと思われますが、結構いろいろできます。いつも説明するとき、「もしもしカメよカメさんよ」を歌うのですが、1番を歌うとほぼ15秒です。いろいろ歌ってみると童謡は15秒くらいで歌えるものが多いことがわかります。ちなみに、YouTubeには、「15秒でわかる世界の昔話」というのがあります。関係ないですが、、、

15秒は、人の第一印象を決める長さとも言われています。また15秒CMは、制作にはかなり難易度が高いそうですが、その分印象深い作品が生まれているようです。

さらに「今日の驚き!」は、なんでもいいのですが、驚きという自分自身の感情に素直になることを養うのに、とてもいいと思っています。大人になると驚くことって減ってきます。でも、小さなことに驚くことはUXを考える素地としても大事だといつも思っています。

ぜひ皆さんの会社でも、会議の前に15秒プレゼンをやってみたらどうでしょう? インプロビゼーション的に、お題を変えるともっといいと思いますよ。




さてさて、ワークショップは最初に「最悪の旅行」を15分間で発散してもらい、5分間にストーリーにしてもらいます。この時、1)状況、2)登場人物、3)最悪ポイント、4)結果 の4つを決めます。

発表したら、この4つの情報を、別のチームに渡します。受け取ったチームは、その4つの情報のうち、1~3までを変更せずに、結果である4を「最高」な状態にする「最高の旅行」のサービスを考えてもらいます。

これは結構難しいですが、制約がはっきりしているからこそアイディは出るものです。
最後の発表では、さすがデザイナーと思わせる画期的(?)なサービスアイディアを発表されたチームもあり、感激しました。

参加者のみなさん、本当にありがとうございました。またぜひ遠征したいと思います。

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