第4回UXD initiative 「学習意欲をデザインする」

ご無沙汰しております、シツチョーの安藤です。

なかなかブログが更新できていませんでしたが、順次最近の活動を紹介していきます。

11月17日(金)に、第4回UXD initiativeを開催しました。今回のUXDinは、「インストラクショナルデザイン」をテーマに、議論しました。安藤研からは、登尾、宮川、別府の3名が参加しました。また、千葉工大デザイン科学科の2年生の方も初めて参加してくれました。

講師には、首都大学東京大学教育センター助教 渡辺雄貴先生。僕と渡辺先生は、別の大学院ですし、年も離れていますが、博士研究の副指導教員が同じ先生というつながりで、ドクターの時からいろいろ仲良くしてもらっています(ただの飲み友達ともいう)。

今回は渡辺先生に「学習意欲をデザインする」という観点から、学校での授業設計の際に学習者の意欲を考慮するためのARCSモデルを中心に、その基本的な考え方についてお話頂きました。


学習というキーワードは、日本では「勉強」という言葉と一緒に考えてしまい、何か学校でのみ行われる特別な行為のように受け止められがちです。しかし、実際学習はあらゆる場面で行われておいます。インタラクティブな製品やサービスの操作も、ユーザーが意識するかどうかの違いはありますが、そこには必ず「学習」の過程があるはずです。

僕の研究では、インタラクティブ製品のUXの評価は、利用意欲の高低が大きく影響するということが分かっています。では、意欲はデザインできるのか、ということが疑問になってきます。そのヒントを得るために、今回渡辺先生に教育工学の観点から基礎的な考え方を講演頂きました。

今回ご講演おただいてわかったことは、インストラクショナルデザインもインタラクションデザインも、デザインプロセスの考え方としては、基本的に類似しているということです。しかし、インストラクショナルデザインは、意欲を考慮してデザインことが重要との認識がある一方、インタラクションデザイン側には、まだ意欲や学習といった側面を正面から取り扱っていないというのが大きな違いです。

ノーマンは新しい書籍「複雑さとともに暮らす」の中で、ユーザー側にジャストインタイムで学ぶことの大切さを求めています。複雑な人工物環境下で暮らしているユーザーに、学ぶ手掛かりをどう提供するかは、インタラクションデザインの新しい課題と言ってもいいと思います。

僕自身まだもやもやしていますが、今後今回のアンサー企画として「UXDと意欲のデザイン」という回を企画したいと思います。多分、やるとしたらワークショップ形式で、参加者みんなで考える回にしたいと思います。

ご参加いただきましたみなさん、ありがとうございました。

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